連日お茶の間を賑わしている偽装構造問題。
それぞれ関係者のキャラも相当濃く、とんでもない感じですが・・・
建築士業界はすさまじい激震が襲っています。
そんなかんやで今後、建築士の仕事は大きく2つの方向に分かれると思うんです。
1つは検査を中心とした業務。
今まであった設計、施工監理といった検査業務とは違う、
他の建築士や施工会社の工事内容を検査するといった業務。
例えば、今回のことで言えば、構造計算書や建物の確認をしたりすることです。
今後は建築前や建築中から第三者(建築士)が検査していくことが増えると思います。
もう1つは今まで通りの設計、施工監理業務です。
そこで私たちはどちらの方向に進むかといえば後者。
設計、施工監理の業務です。
非常に大雑把な言い方をすれば、検査業務は建築士としてネガティブな仕事。
設計、施工監理はポジティブな仕事と捉えることができます。
正直な話ですけど、これから検査業務のような仕事って重要ですし、
需要も多いと思うんです。多分仕事も増えて、儲かるかもしれません。
ただ、乱暴な言い方をすると、検査の仕事を重ねていくとなんか粗探しをするようになりそうでいやなのです。
こんな時代だからこそ、皆さんに安心して、喜んで住める空間を創っていきたいと思います。
横浜空間の取材もそんな思いの延長でするようにしています。
横浜空間ホームページ http://www.yokohama-kukan.com
建築士を含む「建設業界」は、かなり複雑な構造になっていますね。
一番わからないのが
・内河健総研コンサルタントに、4人の一級建築士がいる。
・施工の木村建設だって建築士がいる。
なのに、姉歯建築士に外注する。
内部建築士じゃあなぜだめなんでしょうか?
大雑把に説明します。同じ設計士が同じ建物を設計するにあたってなぜ問題がでる可能性があるかといいますと、「誰から発注されたか?」ということです。例えば、建築会社から発注されれば、建築会社よりの設計になる。個人または法人のオーナーから直接発注されればオーナーよりの設計になる。本来は発注者など関係ないはずという、ある意味性善説のもとで建築業界は成り立っていたと思うんです。
それが、今回の事件で根底から崩れたってことのような気がします。また、これは設計だけでなく建築中の監理においても言えることです。建築会社が設計した建物を建築会社が監理する。性善説に基づけば、「あの会社に任せておけば大丈夫!」ということになります。しかし、オーナーが建築会社とは別の設計事務所に設計を依頼と監理を依頼するとなると、第三者の目で確認していくということができる訳です。
今までは、オーナーや施主にそういう費用はある意味無駄という感覚があったのも事実だと思います。
当たり前のことですけど、まじめに建築したり設計したりしている多くの人たちがいるわけです。
たくさんの建築関係者たちがとんでもない人達により起きたこの事件が本当に情けないやら、腹立たしい気持ちで日々過ごしているのが本音だと思いますよ。