NOチェンジ

【 -第31回- 2012年12月10日号】


前回のコラムでは、学生時代と性格もスタイルも180°チェンジした友人Kの話をしました。

今回は、まったくすべてが変わらない、ブレない友人Aの話をします。
Aは、本当にいつ会っても昔と変わりません。
もちろん顔は立派な50歳です。
ところが、他は10代と何ら変わっていないから驚きなのです。

昔から意思の固さでは友人中で有名なAですから、性格は変わりません。
常にコツコツと努力し、一歩一歩確実に進む男です。
性格や価値観について、フラフラしている私ごときがとやかく言えるはずがありません。

私が驚いているのは、Aは10代や20代に着ていた服を今も着ていることなのです。
残念ながらスーツ姿のAをほとんど見た事がないのですが、私服に関して言えば、この世の奇跡が起こっています。

パンツは30年間、1本のリーバイス。
平成24年に昭和60年代のジーンズを生で見ると、股上の深さに焦ります。
しかもAのリーバイスは洗いすぎて、現在のタイトな着こなしとは違った意味で全体的にパツンパツンです。

上着(シャツ)は基本2着。
夏は白のポロシャツ。冬はラガーシャツ。

私の記憶が正しければ、ポロシャツはラコステだったはず。
ところが今は胸のワニが見あたらない。
洗濯しすぎて、ワニはどこかに行ってしまったかもしれない…。
襟元や袖口は擦れてほころんでいますが、これがナチュラルなダメージ加工の雰囲気で味がでています。

夏以外はラガーシャツですが、着始めた時の色がわからないくらい、現在では薄くぼやけた模様です。
このラガーシャツはやたらブカブカです。
30年前には私たちは今とは比べられないくらいゆったりとしたサイズ感で着ていたのがわかります。

靴は白のKSWISSでキメテいます。
昔のテニスシューズのようなデザインで白の4本?のラインが入っている、30年前に流行ったスニーカーです。
さすがに靴は30年間も保たないようで、何足目かのKSWISSのようです。

Aは不変的なスタイルを続けられることが、自慢です。
何より30年間同じ服を着れるくらい、体形が変わってない事が誇らしいのです。

例えば、仲間同士で集まった時などに、タチの悪い友人達が昔と体形が変わっていないAを褒めるわけです。
そうすると、Aはますます調子にのって同じ服を着続けるのです。

そもそも、体形が変わらない事と同じ服を着続ける事は、全く別の事なのですが、Aの頭のなかでは、完全に同期化されています。

また遥か昔、誰かに「Aは石田純一に似ているよな」と言われた事があるそうです。
正直、それでは、あまりに石田純一があわれです。
前、横、後ろ、どこから見ても似ていません。
ところが、Aにとっては、前髪がすっかり薄くなってしまった今も気持ちは石田純一です。

人をけなすより褒めた方が数倍もいいことはわかりますが、時に人の人生を狂わすこともあります。

最近Aを見ていて感じるのは、Aは感覚的に鈍感なところが多いのです。
私は、これはいい意味で言っています。

Aは鈍感であるがために、ブレないのです。時に人からバカにされているような言葉をかけられても、全く気にしていない。
敏感ですばやく反応することも大切ですが、鈍感力がある人の方が幸せに過ごせますよね。

私はAとは反対のタイプで、何かとカッとなり、敏感に反応しすぎるところがあります。時にAの鈍感力が羨ましく思います。

180°変わってしまった友人K、全く変わらない友人A。
みなさんはどちらに近いでしょうか。

私の理想は、信念や価値観は変わらず、表面的にはアップデイトされている感じです。
ところが、残念ながら現実はすべてにグラグラです。



追記・・・・・
止まっている時計も1日に2度、時間が合います。
今は80年代テイストのゆったりした着こなしが流行っています。
時代の方がAに近づいてきました…。

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