MADMENの世界

【 -第82回- 2015年2月2日号】




Hulu に入会して、アメリカのテレビドラマMADMENを観ています。MADMENは1960年代ニューヨーク。広告業界を舞台に酒、タバコ、金、サクセスなど欲望に溺れる人々のヒューマンドラマ。
男尊女卑。タバコ吸いまくり。24時間酒浸り。

今のアメリカの価値観とこんなにも違うのかと笑ってしまう暮らしぶりです。
しかし、男達の髪型やファッションは現在のおしゃれなニューヨーカー達に影響を与え、実際、今のニューヨーカーのファッションはMADMENの世界です。

男達の髪型やファッションなども話題となったドラマですが、登場人物達の部屋のインテリアも興味深いものがあります。
主人公ドン・ドレイパーが勤める広告代理店の社長は日本的な趣味があります。
社長室は土足厳禁。
皆、社長室に入る時には靴を脱ぎます。
カーテンではなく障子。屏風や時には春画が飾られています。

ドン・ドレイパーの自宅はマンハッタンではなく、郊外の住宅街にあります。
当時の一般的な住宅を再現していると思われます。
ダイニングで子供達が食事をし、リビングでテレビを観ている場面がよくあります。
キッチンは対面式、アイランド型キッチンです。
カウンターにはIHではない、電気式のコンロ。
コンロの向かい側で朝食を食べている場面もあります。
日本でアイランド型のキッチンが流行りだしたのは5年程前でしょうか。
アメリカでは50年以上前の一般家庭にあったと思うと、急激に西洋化された日本のライフスタイルの中でも住まいに関するスタイルは、ゆっくりと変化しているのかもしれません。

オフィスでも住宅でもインテリアはシンプルです。
使われている木も大量消費時代ですから、ベニア板のような合板の質感で、高級感はありません。

いわゆるミッドセンチュリー時代です。
日本でもイームズチェアなどのミッドセンチュリー時代に製造された家具のブームがありました。
現在ブームは去りましたが、ミッドセンチュリーテイストは、ビィンテージテイストと共に一定のポジションを築いています。

今の日本でも、MADMENの世界観を味わえる住宅があります。
主に港区に展開している高級賃貸マンションHOMATシリーズです。
六本木や広尾界隈に低層で少し日本風な灯籠などが置いてあるヴィンテージ・マンションです。
60年代から外交官や外資系役員のために作られた賃貸マンションです。
今では、このテイストを好む日本人にかなりの人気があると聞きます。
毎月の賃料が100万円を超えても空室待ちの物件もあるようです。

MADMENの世界のHOMATシリーズのマンション。
日本人にはウケが良くてもアメリカ人が物件を内見すると、驚きと爆笑があることも多いらしいです。

「子供の頃に行った、祖父の家と同じだ」
遠い異国の地に古いアメリカがあった驚き。

私たちはヴィンテージとリスペクトしてもアメリカ人から見たら、ただの古い家かもしれません。
逆に考えると、私たちがボロ家に見えるような日本家屋をアメリカ人はリスペクトして見てくれるかもしれません。
国や文化が違えば見え方も違います。

ちなみに私はMADMENの世界、好きです。
寝室の横にバスルームがあるようなHOMATシリーズに住んだら。
と、せめて妄想しています。




追記・・・・・
主人公ドン・トレーパー役のジョン・ハムが、映画ベイビー・ドライバーで演じたバディ役のぶっ飛び感ある役柄も好きです。
また、個人的にはロジャー・スターリング役のジョン・スラッテリーの中年の渋みがたまりません。 まあ、彼のような人は見かけませんけど(笑)

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