インテリアの関心向上その2

【 -第16回- 2012年5月7日号】




前回のコラム(→ インテリアの関心向上その1)は、日本人のインテリアへの関心の向上と自分好みのインテリアへの準備について書きましたが、今回も、インテリアについて書いてみたいと思います。

インテリア雑誌を見て、毎回感じるのは、外国の住宅や商業施設の写真の方が日本の写真より2割方はよく見えることです。
同じ雑誌の同じ掲載基準のカメラマンが撮影した写真なのによく見えるのです。

その理由としては、まず自然の光が違うのだろう。
と考えていました。
写真の事はよくわかりませんが、光の質が写真の出来映えに影響することは想像できます。

ところが、今の画像ソフトを使えば、加工できるとも思うのです。

そこで、次に特に自宅などの場合、スケール感が違うのだろう。
と考えました。
例えば10畳の広さのリビングと20畳のリビングでは奥行きなど、写真の雰囲気がまるで違って来ます。
ところが、昨今のインテリア雑誌に掲載されるような日本の住宅も、かなりなスケールの建物があります。

では、なんだろう?と推測すると、個々の個性かなと思うのです。
棚に飾られている置物、テーブルにのっている小物、壁にかかっている絵画や写真、生花を使った彩り等等、です。
もっとも、今のインテリア雑誌も、昔のように建築家が設計した家のカタログのように、室内になにもない状態で撮影することもなく、住人の生活の雰囲気がわかるようになってきています。

それでも、まだ、今ひとつのような気がするのです。
そのような、なんともモヤモヤした気持ちを持っていたのですが、かれこれ10年近く前、日本在住のアメリカ人のお客様から鎌倉にお持ちの別荘のリノベーション工事を依頼されて、そのモヤモヤが消えました。

お客さまは、業界人ならだれもが知っている外資系広告代理店の社長で、会社のインテリアも、当時インテリア雑誌でも度々取り上げられていたくらいの相当なセンスの持ち主でした。
そのお客さまとの最初の打ち合わせは、お客さまのご自宅でした。
都内の一軒家を賃貸されて住まわれているということで、興味津々で伺いました。
建物の外観は少し古めの日本家屋といった感じです。ところが、屋内に入ると、そこはお客さまワールド全開です。
シンプルなのにゴージャス。
新しいものとアンティークなものが絶妙のバランスでご自分の世界を表現しているのです。
繰り返しますが、賃貸住宅なので建物自体はリフォームなどしていません。
家具や小物、写真や絵画によって、なんでこんなに素敵になるのか不思議でした。
お客さまがフランスにお住まいになっていた時にご購入したというアンティークな大きな机に書類を広げている時に、どこからか、SONYの犬型ロボットAIBOが歩いてきた時には、腰が抜けるくらい驚きました。
このシックな空間と未来を感じさせるAIBOのコラボです。

そのお客さまが言うには、室内に置いてある、さまざまな物は長い時間をかけて、集めるそうです。自分の好きな物を意識して、自分の美意識で、ものを選ぶ、自分が気に入ったものであれば、値段もブランドも関係ないそうです。

結局、前回でも書いた通り、まずは、自分の好みを自分で知る事が大事ということです。 我々日本人も、より強い個性的な空間を作れれば、その空間が写真になった時にも素敵な写真になるのだと思うのです。




追記・・・・・
このコラムから8年が経過し、素敵な個人邸をインスタグラムなどで拝見します。
自宅のことは、棚に上げて言うと、自分の嗜好や価値観をおすまいに反映させた方が増えたと思います。
どんなにセンスのいい、有名な設計士に依頼し、建築した建物であっても、暮らす人のセンスがすぐに表れてしまうから暮らし方は大切ですね。

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