25年モノ

【 -第166回- 2018年5月14日号】





会社近くの駐車場に30年以上前のベンツが停まっていました。
バブルが始まる頃に売られていた、通称小ベンツ。190という車種です。
ベージュ色でちょっと角ばった形をしているのですが、「品」のある佇まいがなんとも言えません。
ちょうど持ち主が現れたので、話しかけると、最近、購入したということです。
「故障もしないし、日常の足として乗っています」

発病してしまいました。
私は「旧車好き」という、やまいを患っていたのですが、最近は発病することもなく、完治したと思っていました。

前車の50年前のベンツで、ほとほと懲りているはずだったのですが、旧車好きの虫が騒ぎ出したのです。

「程度のいい30年くらい前のベンツがあったら教えてくれる?」

と、旧知の車屋さんに話してから、約1か月後に連絡がありました。

「25年間、ワンオーナーで、大事に乗られていたベンツが見つかりました」

「見てから、買うか買わないか返事をします」と話したのですが、もう気持は買う気満々です。
実際に見てみると、屋根付きの車庫で保管されていたようで、外装も内装も綺麗です。
走ってみても、調子がいいです。
値段もクラッシックの範囲にあるベンツならそれなりにするでしょうが、中途半端に古いベンツのため、お手頃価格です。

と言う訳で、今、鼻を膨らませながらウキウキと毎日乗っています。

もちろん、今の車に着いているような安全装置やバックカメラなどは着いていません。
オーディオはラジオとカセット(笑)です。
さっそく、ラジオのアンテナが縮む時にはガァガァと音が鳴っています。
でも、走行時の安定性や乗り心地は、びっくりするくらい快適です。
さすが、おベンツ様です。

そして、昔ベンツに乗っていた人にはわかるのですが、「ベンツの匂い」がします。
一体何なんでしょうか「あの匂い」
今のベンツに乗っても「あの匂い」はしません。

匂いも記憶のインデックスですよね。
昔は、ベンツに乗っていませんでしたが、「あの匂い」を嗅ぐと20代にタイムスリップしてしまいます。

なぜだかわかりませんが、昨日、雨の中乗っていたら、胸がキュンとしめつけられました。

歳をとりたくないものです。
涙もろくなるのもわかります。

匂いと雨音でキュンとなってしまうのですから。




追記・・・・・
突然、エンジンが停止し、レッカー車で修理工場に入庫することを数回繰り返し。
所有していたW124型のベンツとお別れしました。
それで、今は、20年ほど前の初代アウディTTという車を所有しています。
まれにエンジンがストールしそうになるので、こわくて遠出はできませんが、機嫌をうかがいながら乗っています。

車の調子を感じながら乗るドキドキ感がたまりません。
旧車好きあるある、ですよね。

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