【 -第204回- 2019年11月12日号】
定点観測
変化のある事象について、一定期間、観察や調査を続けること。
世の中のほとんどのものは変化します。
日頃、「変わらないものは身長くらい」だって言っています。
その身長だって年とともに低くなるようです。
要するに、すべてのものが変化するってことですよね。
流れに身を任せ過ぎれば、変化がわからない。
固まり過ぎれば、変化についていけない。
変化を把握して、それに適合しないと生きていけない。
まあ、それで横浜空間も苦労しているわけですが、笑。
それはさておき、今回は変化を把握するための定点観測についてです。
私は何かを見たり、考えたりするのが比較的好きなので、いろいろなところで定点観測をしています。
今回はユニクロでの定点観測について。
皆さんもご存知の日本一のアパレル会社というか、生活の一部ですよね。
もはや、ユニクロダサいなどと言うヤツの方がダサいって感じで、おしゃれで流行に敏感な若者たちからも支持されています。
マス向けには低価格でベーシックな汎用商品を。
コア向けには採算度外視でコラボ商品を。
両方をバランス良くやってブランドを成立させています。
すごいですよね。
そんなユニクロのサイズについてなんですが、
基本、店頭では、S、M、L、XL表示ですが、同じLサイズでも今シーズンあたりは、明らかにゆったりとしたサイズ感になっています。
ファッション業界では4〜5年前くらいからオーバーサイズの流れがきていると思うのですが、ユニクロはまだ、その流れについていってなかった。
そりゃーそうです。
マスに向けての商品作りを行なっているのですから、安易にとんがった流行について行ったら、とんでもないことになりかねません。
しかし、今シーズンはゆったりとなった。
これは、一般的にオーバーサイズが認知されたと言うことでもあります。
オーバーサイズに服を着こなすことが、トレンドってことになります。
しかし、売場を見れば、ピタッと履きこなす、ゆったりとは反対のスキニータイプのパンツも置いてあります。
かのローランドもパンツはユニクロの女性用スキニーパンツを履いているそうです。
巷でちょっとヤンチャな子たちはピタッとしたスウェットを履き、歯だけ気持ち悪いくらい白い褐色のオヤジたちはピタッとした洋服を着ている姿しか想像できません。
結局、ユニクロで定点観測したところ、「なんでもあり」と言うことです。
変化がどうのと言っていながら、身も蓋もない話ですが、マスの方向ではゆったりだけど、ぴったりも需要があるってことです。
ビジネスで考えれば、マスを狙うかニッチを狙うか。と言う話です。
事業規模をどう設定するか。と言う話でもあります。
マスのゆったり。ニッチのぴったり。
どっちも規模は違いますが、需要があります。
注意しなくてはならないのは、狭いニッチ市場だから変化しないと言うことはなく、変わらないなりに変化をしていく必要があることです。
変化を感じないと、ニッチでも陳腐化されてダサくなることがあります。
例えば、スカルプ柄、ガイコツです。
2000年頃でしたら、スカルプ柄が入っているアイテムはおしゃれな人が身につけていました。
それが、スカルプが認知され、広まった結果、どうなったかと言うと。
スカルプ推しのファッションはヤンチャ関連の人以外身に着けていません。
ところが、いまだにスカルプ推しのブランドもあるから、ニッチ恐るべしとなります。
自分たちのポジションを正確に理解し、その場所で戦う分にはどんなにニッチになっても生きていけると言うことだと思います。
で、私たちは、もちろんニッチなんです。
「日々の生活を大切にし、素敵なすまいやインテリアに囲まれた時を過ごしたい」
そう願う人たちに、こだわりのおすまいを丁寧にご紹介したいのです。
ここは、ブレることなく、進みたいと思っています。
追記・・・・・
そもそも、ユニクロでの定点観測が、どう、すまいやインテリアに関係してくるのかってことなんですが、「衣・食・住」の全体の流れ(トレンド)は同じだと思っています。
自宅で過ごす時間も増え、ゆったりとしたリラックス感は、すまいのトレンドになっています。
タイトな利便性より、ゆったりとした空間を求めるトレンドは、しばらく基本的なものとなりそうです。