着物

【 -第209回- 2020年1月21日号】





今年、娘が成人しました。
成人式では、妻が成人式に着た振り袖を娘も着ました。
妻の実家は、美容科関係の仕事をしていることもあり、妻の着物は 義理の母が凝りに凝って、加賀友禅の作家にお願いして作った振り袖だそうです。
なんでも、帯やらなんやらで中型の車が新車で買えるくらいの値段だったそうです。

もっとも、妻が成人式で着た後は、その振り袖は美容関係のコンテストでモデルさんたちが着て、評価をあげたのちに、一般にレンタルをして稼いで、いま、娘が着たのですから、噂通り義理の母は「やり手ババア」です、笑。
さすがなのは、着物の格にあった着付けをしないといけない。
ということで、業界内のツテで振り袖と一緒に人も用意してくれました。
支払いは、すべて私ですが…笑。

それで、娘が着てみて、心底思ったのですが、「着物っていいですね」。
「この振り袖は違う」と刷り込まれていることを差し引いても、着物姿はなんとも言えない雰囲気があります。

そして、インスタグラムで#成人式を検索しました。
確かに着付けでまったく、印象が違って見えます。
襟の合わせ方や帯の締め方もグズグズで、横溝正史シリーズで登場する酔って乱れている元名家の奥様みたいな感じでピースサインをしている写真を多く見つけました。
義理の母の手配に感謝しました。

現在では、一般的に着物は特別なハレの日・冠婚葬祭にしか着ないと思います。
浴衣は花火大会の時に着るとしても、振袖は何度も着ないかもしれません。
着物は、まず、自分で着れない。動きにくい。保管が大変。それに値段が高い。
所有するのは、ハードルが高すぎます。

私も成人した時に、大島紬の着物を作ってもらいました。
以前は1年に1日だけ、元旦に着ていましたが、着た後の保管が大変で着なくなりました。
今年の元旦は、部屋着のユニクロで過ごしました。
着物姿ではゴロゴロしながら、NETFLIXを観れません。

着物姿を見ると素敵だと思うのですが、自分が着るとなるとハードルが高いです。
あと思うのは、慣れの問題か着付けの問題かわかりませんが、特に男性の着物姿を見て、似合っていると思える人が少ない。
日頃からスーツを着てない人が、たまにスーツを着た時の慣れていない感以上の違和感を感じます。
男なら粋に着物を着こなしたいと思うのですが、無理やり感が前面にでてしまいます。
ますます、着物はハードルが高くなります。


昨年の11月に社内研修旅行でバンコクに行った際に、私が宿泊したホテルのロビーの椅子に着物姿の日本人のご婦人が座っていました。
もう、ビックリしました。

外は30度を超える東南アジアでキレイに着物を着ているご婦人を見るとは、思ってもいません。
話しかけようかとも思いましたが、スタッフみんなで食事をする予定があり、急いでいたので、そのままホテルを出ました。
スタッフとの集合場所に向かう、電車の中で確信しました「日本人女性の着物姿は最高だと」
特に「海外で見る、着物姿は!」

私たち日本人がちゃんと洋服を着るようになって、いいとこ150年です。
きっちりと着物を着れば 洋服<着物 になるのも理解できます。

それで、食事を終えて、ホテルに戻るとロビーあたりにパーティーを終えた、白人系のタキシード姿の男性、ドレス姿の女性がたくさんいました。
「タキシードがなんであんなに似合うのか…ズルイよな」
などと思いながら、エレベーターに乗ろうとすると、出かけにロビーで見かけた着物姿の女性がいました。
「あっ、この女性はパーティーにでるために着物を着ていたのか」と気づいたのですが、横にご主人がタキシード姿でいました。
タキシードのパンツの丈が殿様のように長くダブダブで、ジャケットの袖も長すぎます。
子供の七五三の記念写真用のタキシードでも、もう少しジャストサイズにします。

我々がタキシードを着こなすには、あと100年必要かもしれません。 
洋服を着こなすのも難しいですよね。




追記・・・・・
着物は一般的ではないと書きましたが、京都に行けば、着物姿の若い女性たちを多く見ることができます。
観光と着物がセットなんですよね。

やっぱり、着物姿はいいです。
みなさん着付けもばっちりです。
しかも、襟元がフリルの長襦袢も見かけます。
柄や細部が時代に合わせて変化してもいいと思いますが、いかがでしょうか。

そして、もはや着物はコスプレに分類されているような気がします…。

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