【 -第214回- 2020年4月13日号】
「熟成する」という言葉を調べると
1 成熟して十分なころあいに達すること。「機運が熟成する」
2 魚肉・獣肉などが酵素の作用により分解され、特殊な風味・うまみが出ること。発酵を終えたあとそのままにし、さらに味をならすこともある。「味噌が熟成する」
3 物質を適当な温度などの条件のもとに長時間置いて、ゆっくりと化学変化を起こさせること。
とでてきます。
どのような場面で使うにしても、「熟成する」とは、前向きな意味で使われる言葉に間違いありません。
そこで、「熟成」の対義語を調べたのですが、見つかりません。
私なりに考えて、浮かんだ言葉が「断捨離」
断捨離
不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとする思想のこと
細かくは色々な意味がありそうですが、だいたいこんな意味で使われている気がします。
そして、一般的には「断捨離」という言葉も、前向きな意味で使われる言葉です。
昔ほどではありませんが、とにかくモノを買うことが好きです。
特に旅先で見つけたモノは、勝手に一期一会と思って、買ってしまいます。
「買った後悔より買わなかった後悔の方が強いタイプの男です」
クローゼットには数回しか袖を通していない服がちょくちょく見つかり、
書棚には、買っただけで読んでない本が積まれています。
私の妻は、生まれながらのミニマリストです。
今でも、独身時代に妻の部屋に行った時の衝撃を覚えています。
「こんなにモノがない部屋、見たことない!」
そんな妻への私の言い訳が「熟成させている」
そんな私も「必要最低限のお気に入りのモノだけで暮らす生活」に憧れています。
そんな時代の雰囲気も感じています。
でもですね、
本当に熟成を感じる瞬間もあるのです。
以前、エルメスのシェーヌダンクルというブレスレットを買いました。
元々、結婚指輪も含めて貴金属の類は身につけないのですが、たまに気まぐれで買ってしまうことがあるのです。
案の定、すぐに着けなくなりました。
そして、ここ数年このブレスレットが、人気なんですね。
熟成されました!
で、今は娘が身に付けています。
断捨離と言ってもすべてを処分するわけでもなく、必要なものは残す、不必要なものを処分するということだと思うのですが、その見極めが難しいですよね。
確かに、片づけたり処分したりするとスッキリした気持ちになります。
シンプルに暮らす先に見えるてくる世界もある気もします。
前置きが長くなりましたが、何が言いたいのかと言うと、
熟成か断捨離か、どっちか悩む。わけわからん。
と言うことです。
最後に熟成家からあえてアドバイスをさせていただくなら、熟成物は常に見えるように、わかるようにしておくことですね。
存在を忘れると、堆積物となります。
追記・・・・・
このコラムから2年が過ぎましたが、相変わらずの「熟成家」です。
古着など、今、ビンテージ市場が熱いですね。
やっと「時代が自分に追いついた」と思っています(笑)