カレー好き

【 -第255回- 2021年11月18日号】





とにかく、カレーが好きです。
毎日3食、どこまで食べ続けることができるか、チャレンジしたいとすら思っています。

「どんなカレーが好きか」
「どこのカレーが美味しいか」
こんなことを思っているようでは、まだまだです。

私レベルのカレー好きになると、どこでも、どんなカレーでも、カレーっぽい食べ物でもいいんです(笑)
カレーについては、美味しい、美味しくないなんて基準を超越した感覚があります。
たいがいのカレーは文句ひとつ言わず、速攻完食します。
「ごちそうさまでした」

時代は、皆、食べ物にもストーリーをつくりたがります。
どこで採れて、誰が作って、どんなスパイスを使ってなんて、しばしお預け状態で能書きを聞かされることが多々あります。
スタッフさんが丁寧に説明することで、金額の正当性をアピールできると思っているフシさえあると勘繰ってしまいます。
お客さんの立場である我々も、食べ物のストーリーをありがたく拝聴します。

お寿司屋さんでは、「大将、この鯖、どこでとれた」なんて、お客さんからの質問を聞くことがあります。
どこでとれたか知ってどうなんでしょうか?
謎です。
美味しいか美味しくないか。
それだけではダメなようです。
食べるにも、鯖のストーリーが必要なんです。

そして、我々はストーリーを聞くだけでなく、批評して採点します。

採点者の属性、基準はバラバラ。
自分基準で採点します。
ちょっとキツく言うと、偏差値40の大学生が、東大の記述解答を採点するようなことが、普通にされているのに、その点数を参考にして、我々はお店選びをします。
採点されたお店もたまりません。

ついつい熱くなってしまいました。
カレーの話に戻ります。

カレー好きの私が、今一番気に入っているカレー屋さんが心配なんです。
以前のコラムで登場した、
焼酎と水の区別がつかない、グルメな(笑)実弟から教えてもらったカレー屋さんです。
「マイルドチキンカレーを辛口で」のオーダーに、顔色一つ変えずに対応できるカレー屋さんです。
相鉄線星川駅から徒歩3分にある「志動」さんです。

店主一人でカウンター6席のみのスパイスカレーのお店です。
緊急事態宣言後、営業を再開しましたが、いまだに3席での営業です。
しかも、営業時間は11時30分から14時のラストオーダーまで。
正直なところ、店主は無愛想です。
みなさんが無愛想と聞いて想像する、さらに上をいく無愛想さです。
大阪北浜のカシミールまでとは言いませんが、こちらの店主も商売に対するアツさを微塵も感じさせません。

ところが、カレーに対しての、こだわりはビンビンに伝わってきます。
私はいつもチキンカレーを食します。
注文時にお願いできる、無料の付け合わせが、また絶品です。
付け合わせが、スパイシーさをより引き立てるのです。

カレーへのこだわりと商売熱心さの反比例感で、来店する度に胸騒ぎがします。 「次来た時、閉店のお知らせが貼ってないだろうか」と。

他人様のご商売を勝手に推測することが、大変失礼なことであると重々承知しております。
しかし、スパイスカレーを一口食べた時の幸福感。
本当に幸せを感じます。
できることなら、私がカレーを食せなくなる日まで、営業を続けていただきたい。
そんな自分勝手なおもいがあるのです。




追記・・・・・
胸騒ぎは現実のものとなりました。
あるカレーモードの日、「今日は、ちょい辛チキンカレーをたのもう♪♪」
なんて思いながら、お店が見えてくると、「店内が暗い」
速足でお店に着くと、「閉店のお知らせ」が貼ってありました。

どなたか、「志動」さんの近況を知っている方がいらしたら、教えてください。絶妙なバランスを感じさせられるスパイスの調和。
程よく表面が焼けたチキン。
一粒一粒の美味しさを味わうことができるライス。
創造性あふれた付け合わせ。
食べれないと思えば思おうほど、食べたくなります。

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