流行る店・惹かれる店

【 -第220回- 2020年6月22日号】





流行っているお店って、

いつもお客さんがいるお店。
お客さんの気配を感じるお店。
ちょっとのぞいてみたくなるお店。

そんな感じでしょうか。

流行らないお店の理由は、すらすらとあげられるのに、流行っているお店の理由は曖昧になってしまう。

安いから。
種類が豊富だから。
サービスがいいから。

このような理由が思い浮かぶが、実際には安くなく、限られたものしかなく、サービスもよくないお店でも流行っているお店がある。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
まさにそんな感じです。


また、流行っている店とは、ちょっと違うのだけど、なぜか惹かれる店がある。

店舗の設計・デザインに係る仕事をしていて、一番難しいとおもうのが「何となく、入ってみようかな」と思う店舗を作ること。
例えば、ただカッコいい雰囲気だけのお店は、デザインしやすい。
ところが、「何となく惹かれて、のぞいてみたくなる」お店はデザインとは別領域の何かが必要だと思っている。

いったい何なんでしょうか。

統一されたコンセプト、凝ったファサード、おしゃれな看板など関係ない。
惹かれるお店はデザインされていないことが多いように思う。

こんなことを言ったら身も蓋もない話だけれど、仮にデザインの力で流行ったとしても、それは一時的なことでしかない。

惹かれるお店を見つける度に感じるのが、お店の商品やサービスが素敵に見えること。
例えば、八百屋さんなら野菜や果物が美味しそうに見える。
美容院なら似合う髪型にカットして、素敵に変身させてくれそうに見える。
飲食店なら楽しみながら、美味しい食事ができそうに見える。
○○屋さんの○○の部分が大事。
○○屋さんなのだから○○が大事だし、○○は「基本のき」だとわかっているけど、おろそかになってしまう。

例えば、駅前にある誰もが入るラーメン屋さんより、駅から離れたところにあってわざわざ食べに行くラーメン屋さんの方が○○(ラーメンの味)の力は強いはずだ。

素敵に見えるように小手先のデザインをしたところで、すぐにメッキは剥がれてしまう。
真剣に向き合っている○○があるから素敵に見えるのだとおもう。

そんなことをおもい、書きながら、身を引き締めています。
不便だけどわざわざ来てくれるような不動産屋になりたいです。




追記・・・・・
私が一番惹かれるお店は「雑多でセンスのいい」お店です。
雑多でセンスがいいって最高難度です。
もう、これは店主のセンスにかかっていますし、なかなか出会えません。

次は、人に寄っては、入りづらく感じるかもしれませんが、
店内、店先が清潔に保たれているお店です。
京都の小規模な老舗店をイメージしてください。
人間関係も同じですが、隙がないより少し隙があるほうが、親しみやすいものです。
清潔に保たれ、シンプルな商品構成のお店は、隙がない(笑)
しかし、そんな凛とした佇まいに惹かれてしまいます。

そして、店主の一生懸命さが伝わるお店。
本当のところ、このお店が一番惹かれます。
熱意は人を引き寄せます。
真面目な対応をされれば、長く付き合えます。
見栄えが良くなくとも、ちょっとした工夫に感心します。

皆さんは、どんなお店に惹かれるのでしょうか?

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