旅の決まり

【 -第219回- 2020年6月8日号】





ダメだと言われると、やってみたくなる。
行けないとなると、行きたくなる。

あー海外旅行に行きたい。
今回のコラムは、そんな思い。
旅の話です。


私が初めて海外に旅行したのは、23歳、大学4年生の時です。
飛行機もその時はじめて乗りました。

どこに行くか、何をするか決めることなく、とにかく「1年間旅にでる」と友達に見得を切ってシンガポールに向かいました。

なぜ、シンガポールかと言うと、当時は日本発の航空料金がやたら高かったのです。
まず「シンガポールか香港に行って、そこで航空チケットを買う」のが定番でした。
なので、旅行代理店に就職した先輩に成田からシンガポールまでのチケットを手配してもらい、何カ国かの出入国ができるチケットをシンガポールで購入して旅しました。

とにかく、何もかもが初めてだったので、必要最低限だけの荷物を持って出発しました。
紙袋より少し大きめのスポーツバック1つにまとめて。
成田空港にチケットを持ってきてくれた先輩に唖然としながら「お前、荷物それだけ?」って聞かれたことを覚えています。

その時から30年以上が経った今でも、荷物は驚くほど少ないです。
さすがに紙袋一つでは行きませんが、「最低限、パスポートとカード(お金)があればOK」的な考えです。


そのような一人旅をしていた時から自分なりの「決まり」がいくつかあります。

1つ目の決まりは、前述したように、なるべく身軽に。
昔に比べれば、持っていく荷物も多くなりました。
それなりのホテルに泊まるなら、ちゃんとしたレストランで食事をするのなら、最低限のエチケットとして洋服などを持っていきます。

2つ目の決まりは、新たな街や国へは陽のある明るい時間に到着する。
以前は、行き当たりばったりの旅でしたから、宿泊するホテルも現地に着いてから手配することがほとんどでした。
万一、深夜に到着でもしたら宿泊できず、大変です。
食事もそうです。
だいたい、目的地には空腹で到着します。
食事もできず、泊まるところもないと最悪です。
なによりも、明るい時間は安心できます。
治安的にも気分的にも。

訪れた街や国が好きになるかどうかは、最初が肝心です。
雰囲気もそうですが、接する人々が大切。
やさしく親切に接してもらうと、イッキにその街・国が好きになります。
反対に最初に嫌な思いをするとよっぽどのことがない限り、二度と行かない。

人も夜より昼。
昼の方が怪しい人たちに会う可能性が少ないです。

だから夜より昼に到着する。

ただし、現在は夜に到着した場合にも対応できています。
世の中がバージョンアップしていますから。(ネット社会万歳!)


3つ目の決まりは、朝、人々が動きだす前に散歩する。
これは、決まりと言うより、朝の街が好きなだけ。
多くの人たちが、まだ家にいたり、寝ているような時間でも動きだしている人達がいる。
働いている人達がいる。
道はゴミが散らかっていて、きれいではない。
ざわざわと街が動きだす前の雰囲気が好きなんです。
それに、安全です。安心して散歩できます。
ワルが朝に弱いのは世界共通です。

ガイドブックに紹介されているような観光地よりその街で暮らす人々の方に興味があるのです。


短い滞在です。移住するわけでもありません。
だから、その街や国の一部だけでも好きになって、いい印象のまま日本に帰って、「あー、楽しい旅だったなー」と思い出したいのです。
それから、いつも思うのは、些細などうでもいいようなことばかりが思い出となっている。
そのうえ、そんな思い出の登場人物や風景がどんどん美化されてしまうから、タチが悪い。

結局、このルールは、新たに訪れる街・国を好きになれるように。
好きになる確率をあげるための決めごとです。


反対に日本を訪れてくれた外国人には、ハリキッテ接するように心掛けています。
目的地がわからない。使い方がわからない。飲食店などで隣り合った。
そんな外国人には、もう、バンバン話しかけます。
「オレ、親善大使」って思っています。
日本に来てくれたんですから「日本はいい国だよ、横浜はいいよ」と思って、国に戻ってもらいたい。
美化される思い出の一部になれたら、最高です。




追記・・・・・
勝手に親善大使になってから20年ほど経っています。
きっかけは、野毛で20歳代の台湾からきた2人をホテルに案内したことでした。
道端で地図を片手にホテルがわからず、困っていました。
そこで、一緒にホテルまで行ってあげた時の2人の笑顔がすばらしかった。
迷っていた場所からホテルまで50mほどの距離だったので、説明するより早いと思って一緒に行ったのですが、いい気持ちというか自己満足というか、とても気分がよかったのです。
それから、親善大使です。 入国規制も緩和されるようですし、大使復活です。

コラムも配信中!メールマガジンの登録はこちら