第28回テーマ  【 建て替え工事の際の既存樹木 】

-2022年3月7日 第534号 掲載-

戸建て住宅の建て替えの折

庭木について既存の樹木が
建物の配置にも影響するので
必ず、お客様にお聞きするのですが
意外にも、現状より緑を増やしたいという方は
ほぼいません。

2割減なら、まだしも
9割減くらいご希望の方も
多数いらっしゃます。

昔の庭は、芝生でしたが
こちらも草むしりしたくないということから
最近では、本物そっくりの
リアルフェイクな芝生も重宝されています。

門かぶりの松など、都会の新築ではみられなくなりました。

建て替えですと、かなり広い敷地でない限り
工事中の足場や配管工事などで樹木の移設も検討しますが
樹木を動かすのは、秋から冬場が良いなど
タイミングや移設、再設置などの費用からも
残念ながら、処分となることもあります。

樹木に関しては、高さが大きくなりすぎたり
道路に張り出して、電線にかかったりと
プロに選定を毎年頼むのも減少傾向です。

これから植樹をお考えの方は
最終樹高は3m程度の苗木種類をお薦めします。
3mですと建物の1階分の高さ程度です。

建物への日照を考慮すると
夏は生い茂り、秋冬は葉を落とす落葉樹を
お薦めするとなるのですが、隣地境や車庫などが近いと
枯葉掃除が問題となってしまうこともあるので
配置は、よく検討しましょう。

植栽に良い場所がまったくないとしたら
駐車場の床をコンクリートですべて仕上げるのではなく
植栽ブロック敷にしてコンクリートの隙間を緑化したり
カーポートの屋根からハンギング植物をかけたり
玄関の軒先の上を、小さく緑化したりして
最小限に楽しむこともできます。

街を歩いていて、建築や緑を
多少の管理の手間はかかりますが
みんなが楽しめたらいいですね。