第33回テーマ 【 災害用井戸の相談 】
-2022年5月23日 第544号 掲載-
以前新築されたお客様より
井戸をつくりたいという相談がありました。
敷地は、おばあちゃんから譲り受けた土地で
もともと丸い浅い井戸が、お隣りの敷地にまたがるように
ありました。その井戸は、お隣の家が建替え時に塀をすることになり
埋められました。今は、細く小さな息抜きのパイプが地面から出ているのが
以前井戸のあった場所の目印になっています。
この家の付近一帯は、細い小径の坂道ばかりです。
新しく建替えた家だけが、道路からセットバックして
部分的に道が広くなったりしていますが、災害とくに
火災時には、消防車などは入らないような谷戸地形に
なっています。
東日本大震災以降、特に災害時の非常用水として
個人や地域で災害用井戸の需要が高まり
小学校やマンションなどでもよく井戸を
みかけるようになりました。
砂地の地盤のところは、パイプだけ打込み
割と簡単に汲み上げれる場合もあるようですが
今回の地形では粘性の土質で、谷戸に水が集まりやすく
以前にあったような浅井戸(丸い土管をかさね
中にある程度地下水が溜めて手押しポンプで
組みあげるタイプ)になります。車の入らない地形で
掘る大きさは、直径約1mを手堀りで深さ約5mが
井戸屋さんの見立てです。
水が出るのはほぼ間違いないのですが
堀った土の残土搬出の人力作業とダンプカーも
小型のものしか近くまで来れないなど
金額がアップの条件が加算されていきます。
見積もり依頼した業者は、官公庁の仕事もしていて
実績多数の業者ですので工事は心配ないと思いますが
提示された金額はじゃじゃじゃん
税別200万円也でした。
ちなみに井戸は、時間経過とともに地下水の
取り込み口に土砂等が詰まることがありますので
メンテナンスも必要になります。
レトロ調の手押しポンプも
最近はステンレス製のもので
耐久性がある品がお薦めだそうです。
さて、この金額でも
掘るか?いなか。
井戸は、規模等により各市町村で
条例等ありますのでご確認も必要となります。
今日は、最近地震も多いので災害用井戸のお話しでした。