第58回テーマ 【 ふたつも展示会を見て 】
-2023年6月5日 第595号-
先日、私は全国的に記録的な雨や
嵐が吹き荒れた翌日、天候が回復し
ふたつの展示会に行ってきました。
ひとつは、うちの事務所から
クルマで約30Kmの六本木ヒルズ美術館 52階
「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」
世界が注目するデザイン集団
ヘザウィック・スタジオの主要プロジェクト公開。
自然界のエネルギーや建築物の記憶を取り込みつつ
都市計画のような大規模プロジェクト展示など
見どころを創設者の
トーマス・ヘザウィックの言葉では
人々が愛さない建物は壊されてしまい
環境にも多大な影響を与えると考えているという。
すべてを破壊するのではなく、人々が(建物を)ケアし
それに関心を持つ理由を与えるような
仕事に取り組んでおり、そのような未来を
期待しているとしていると
もうひとつは、うちの事務所から
六本木ヒルズとは正反対に位置する
クルマで約40kmの神奈川県三浦市三崎町
諸磯青少年センター(閉業)朽ち果てた建物
「HAKOBUNE 放射されるアート」
作家31名の展覧会
さすがに、あの嵐のあとでもあり
どちらの建物も残念ながら
雨漏りしておりました。
入場料は、六本木ヒルズ美術館は2200円
諸磯青少年センター(閉業)入場無料であるが
ほとんどひと気のない場所に関わらず
駐車代1000円が徴収された。
写真がないので、
伝わりにくいかと思いますが
まさに、陽の展示と陰の展示空間でした。
ちなみに、三浦市は都心から近いですが
神奈川県の市で唯一の消滅可能性都市と言われ
公的建物も閉館が進んでいます。
どちらの場所も、自然と人工物の合作ですが
人が積極的に、自然を取り入れようが
放置しようが、最後は自然に飲み込まれてゆく
朽ちた建物の窓から海を見ながら
滅びの美を、台風一過に感じた日でした。