第61回テーマ 【 玄関たたき 】
2023年7月24日 第601号 掲載
あなたの家の玄関は内開きだろうか?
それとも外開きだろうか?
引違い戸でなければ、おそらく外開き。
これは、日本は雨が多い国だから。
玄関の床は、外側より内側が数センチ高く
雨の侵入を防いでいる、このため
ドアは外開きとなる。
さらに、日本は高温多湿な気候のため
縁の下をつくらないと木の床が湿気てしまうので
必然的に、玄関と家の中とは段差ができる。
結果、どうぞ「おあがりください」となるわけだ。
この靴脱ぎの土間を、三和土(たたき)と呼び
一段高い角の部分を、上がり框(あがりかまち)
と呼んでいる。
この段差の高さは、一般的な木造の家で約20cm
コンクリートのマンションでは
せいぜい10cm程度までとなる。
室内の廊下側から、玄関をみると
一段下がった向こうに玄関ドアがある。
多くの家では、普段鍵がかけてあるので
家族の帰宅時や宅配便など
来客時には、この一段低い部分に降り
玄関ドアを開けることになる。
基本的には、三和土の部分までは
土足で入るので、ダーティゾーンだが
急いで玄関ドアを開けたいときや、
子供などは裸足で降りたり
つま先立ちしたことないですか。
そこで、わざわざ靴を履くのが
面倒なので、サンダルなる物が
玄関専用に登場する。
玄関にスペースのある方は
玄関框から下駄箱の前玄関ドアまで
スノコを敷く方もいたりします。
また、イギリス人デザイナーが
日本の玄関の重大な欠点ととらえ
飛び石風の玄関マットを三和土に
提案したりもしています。
さて、みなさんのお宅ではいかがでしょうか。
中には、玄関ドアの正面に上がり框はなく
直角方向に上がり框がある家でしたら
玄関ドアハンドルに、手が届く場合もあります。
但し、ドアを外に開くには脚はそのままで、
上半身を外側にのぞき込むカタチとなります。
設計的に、もう少しスマートな方法は
ないものだろうかと想いつつ 未だベストな答えを
出せてないのですが、たとえば玄関たたきと
玄関框の段差をほとんど無くし
靴抜きエリアと廊下エリアの床素材を変えることで
エリア分けの表現は残し、玄関ドアの内部側に
靴脱ぎ用のマットを敷くだけでも
良いと思いますが、いかがでしょうか。
暮らし方は、ひとそれぞれですが
少し変えてみると、また違う
玄関の出迎えの所作が生まれるような気がします。
今日は、玄関たたきの話しでした。
ご参考になれば幸いです。