第74回テーマ 【 和室はいかがですか? 】
2024年2月13日 第627号 掲載
和室はいかがですか?
といっても、新築でもリフォームでも
ほぼ近年極端に減ってしまった和室のご要望。
土地や建物の予算に余裕があれば
以前なら、ひと部屋くらい和室にして
客間や両親や友人が来たときに泊まれるなんて
話しもあったものだ。
テーブル置けば食事ができ
ふとん敷けば寝室に早代わり
そんな便利な部屋のはずが、、、
物置部屋になっていた
親の家を見てきたわけです。
和室のイメージがあまりにも良くない
左官職人さんが手仕事で、壁を仕上げてくれても
カラダがこすると、砂が落ちるや
壁が薄いからとにかく寒い
障子は暗いからきらい
襖はこどもが破る
引戸が多くプライバシーが低い
畳が凹む、表替えが必要 ダニがとか
ネガティブキャンペーンの嵐です。
一方、そんな木造の古民家に住んで
リノベーション楽しみたいというニーズもあります。
住んでみて、虫や寒さ暗さも着こなせば
年月に風合いも加味され、かなりカッコ良い。
ここから先の話しは、ビットコインの様な
お話しになりますが、本当の和室を造れる大工さんが
設計にたずさわる私のまわりでも
ほぼ数年でいなくなり希少価値となりそうです。
但し、実際には社寺建築の宮大工さんも含め
ニーズがないので、仕事としては継続維持が
難しいのが現状です。
一般の方の中には、建売りとかでも
和室あるよ!と言う方もおられるかもしれませんが
建築業界では、大壁和室と呼んでいて洋間と同じ造りで
畳が敷いてある洋間みたいなものです。
さて、この大工さんの技術。
支えてくれるのは陰影礼賛好きな
海外の富裕層なのか!
時代の変わり目を体感している
カンナ好きな建築士のお話しでした。